Case Study

「解約率が下がらない…」からの大逆転!
継続率1.8倍を実現した、カスタマーサクセス改革
―― まず、カスタマーサクセス部門の改革を決断された背景について、経営層の視点からお聞かせください。
青沼氏:「当社は順調に事業を拡大してきましたが、一方で課題も明確でした。特にカスタマーサクセス(以下CS)については、名ばかりの状態だったと言わざるを得ません。社内にはCSの経験者がほとんどおらず、ほとんどが営業出身のマネージャーでした。CSについて本は読んでみたものの、具体的に何をすべきか誰もわかっていない。そんな状態でした」
樋口氏:「現場の実態を申し上げますと、まさに事後対応の連続でした。お客様からの問い合わせに答えるだけのカスタマーサポート的な業務が中心で、戦略的なアプローチはできていませんでした。特に困っていたのが、お客様の成功に向けた具体的な支援方法がわからないこと。例えば、定期面談は実施していたものの、その場でどんな質問をすべきか、どういった提案ができるのか、手探りの状態でした」

―― 最初は自社での改善を試みられたそうですね。
青沼氏:「はい。最初の3~6ヶ月は自社での改善を試みました。しかし結果として、その時間で気づいたのは『専門家の支援なしには本質的な改革は難しい』ということでした。例えば、メンバーに資料の意図が伝わらず、なかなか定型化されたオペレーションへ落とし込めなかったり、顧客向けの支援プログラムを作ろうとしても、体系的な内容に落とし込めないなどの課題が次々と浮き彫りになってきたんです」
樋口氏:「現場レベルでも様々な課題が見えてきました。例えば、あるお客様に効果的だった施策を他のお客様に展開しようとしても、なぜその施策が効果的だったのかをお客様にご理解いただけるよう説明できない状態でした。組織としてお客様にご満足いただける支援をするための再現性ある成功モデルが作れない。また、CSマネージャー同士の情報共有も不十分で、同じような課題に対して個々が試行錯誤を繰り返すという非効率な状態でした」
―― そんな中、なぜC・S・D、特に杉﨑さんに声をかけることを決められたのでしょうか?
青沼氏:「C・S・Dの杉﨑さんとは以前から面識があり、顧客支援の実績、特にCSとしての実績を知っていましたし、CSのマネジメント実績も知っていました。
また、彼の場合特徴的なのは、CSだけでなく、営業とマーケティングの知見も深く持ち合わせていることです。実は、これまで様々なコンサルティング会社と仕事をしてきましたが、この3つの領域をリアルに理解している人材には出会ったことがありませんでした。
一般的なコンサルタントの方は、ご自身がコンサルティングされる領域でも実際に実務に携わられた経験がないケースが多いです。そのため、どうしてもリアリティがない。理想論的な提案はしていただけますが、現場で落とし込むことが難しい。そのため、現場のマネージャーや担当者も納得せず、反発することもあります。リアルじゃないので当然ですよね。杉﨑さんの場合、営業とCSを実務とマネジメントの両面で経験され、実績を持たれている。実際にCSとしての支援を受けた時は感動しました。その時に支援していただいた領域がマーケティング領域でしたが、その際も実践的な提案や支援をしていただいたことを覚えています。
また、杉﨑さんの『事業に対する真摯な姿勢』も決め手になりました。例えば、私たちが依頼した際も、当初考えられていた提案を一方的に押し付けるのではなく、私たちの要望に合わせて柔軟にカスタマイズしてくれました。この柔軟性と、徹底的に事業を理解しようとする姿勢に、大きな信頼感を覚えました」
樋口氏:「現場を預かる立場として、特に印象的だったのは『杉﨑さんの顧客支援のスタンス』です。杉﨑さんは当社の中で誰よりも熱心に顧客満足度を上げるための改善に取り組んでくれました。その姿は、単なる外部コンサルタントではなく、当社のCSマネージャーのようでした。このように、現場に入り込み、伴走しながら改善を進めてくれる存在です。実際、あるとき部門全体に向けて『この目標は、あなた方が実現したい目標ですよね?達成に向けて本気で取り組んでいます?達成する気あるんですか?』と厳しく問いかけてくれたことがあります。これには「はっ」とさせられましたね。
問題を可決するために解決するためにこれでもかというほど突き詰める真摯な姿勢に、チーム全員が心を動かされたんです。
また、杉﨑さんの経験からくる確かな知見にも驚かされます。私たちが課題だと思っていることに対して、何倍もの広い視点を持っていて、常に『もう一段上の改善案』を提示してくれる。例えば、単なる継続率の改善だけでなく、その先の事業成長までを見据えた提案をいただけるのは本当にありがたいですね」

―― 具体的な支援内容について、詳しくお聞かせください。
樋口氏:「最も特徴的なのは『フォーキャストマネジメント』の仕組み作りです。毎週火曜日の9時から実施している全体会議では、以下のようなサイクルを確立していただきました
- 現状共有:各担当者が担当顧客の継続確度を報告
- 見込精度のチェック:現継続確度の具体的根拠説明や、マネジメント項目のチェック
- 見込修正:見込チェックを踏まえた継続確度の修正
- 今後の対策検討:継続確度を上げるための課題共有と具体的な対応策の決定
特に重要なのは、この会議が単なるレポーティングの場ではなく、真の『学びの場』として機能していることです。例えば、あるメンバーが『面談回数を増やしました』と報告すると、杉﨑さんは『なぜ面談回数の増加が有効だと考えたのか』と常に本質を問う質問を投げかけてくれます」
青沼氏:「経営層の視点から特に評価しているのは『一気通貫した支援体制』です。
例えば以下のようなサイクルで支援を行っていただいている点です。
- 3ヶ月に1回の経営層へのレポーティングや方向性確認会議の実施
- 現場のトップマネジメントとの週次定例会議での事業戦略の把握、事業KPIと現場の活動の整合性チェック
- 現場への直接的支援やCSメンバーとの個別面談、フォーキャストMTGの運営
- 現場支援を通じて理解した具体的な業務改善提案を現場のトップマネジメントとの定例で実施。追加提案の実行支援
ただ単に単発の支援や、当初契約した内容に留まらず、顧客に向き合って伴走してくれるところをとても心強いと感じています。」

―― 支援を受けられて、具体的にどのような変化がありましたか?
樋口氏:「まず数字面での成果として、導入前の継続率と比較し、現在は1.8倍まで改善しています。さらに、現在の取り組みを続けていけば、およそ2.5倍までは改善できるのではないかと考えています。
また、組織としても、当社と比較すると比べものにならないくらい成長しました。具体例を挙げると、最近異動したメンバーがいますが、異動からわずか2~3週間で戦略的な提案や顧客支援ができるようになりました。これは、杉﨑さんと共に構築した『最適化されたCSプロセス』と『案件マネジメントの仕組み』が効果を発揮している証だと考えています」
青沼氏:「経営層の視点から見ても、組織の質的変化には驚かされました。特に印象的なのは、チームの『問題解決力』と『自走力』の向上です。
かつては、単なる情報共有の場だった週次ミーティングが、今では戦略的な議論の場へと進化しています。
さらに、部門を越えた連携も活発になっています。以前は『CS部門の課題』として個別に対応していた案件も、今では営業やマーケティング部門を巻き込んで解決する。そんな横断的なアプローチが当たり前になってきているんです。」
―― そのような変化を実現できた要因は何だとお考えですか?
樋口氏:「最大の要因は、杉﨑さんの『伴走型』の支援スタイルだと考えています。単なる机上の空論ではなく、現場で起きている課題に対して、常に具体的な解決策を一緒に考え、実行してくれる。この実践的なアプローチが、チーム全体の成長を加速させたのだと思います。特に印象的なのは、メンバー1人ひとりの特性を見極めた、きめ細かな指導です。例えば、分析が得意なメンバーには『その分析をどう施策に活かすか』、コミュニケーションが得意なメンバーには『どうすればより戦略的な対話ができるか』など、個々の強みを活かした支援を行ってくださいました」
青沼氏:「私が特に評価しているのは、『持続可能な改革』を実現してくれた点です。外部コンサルタントに依存し続けるのではなく、組織自体が継続的に進化できる仕組みを構築してくれました。具体的には「定期的な振り返りと改善のサイクル確立」や「部門を越えた協力体制の構築」です。
これらの取り組みにより、今では杉﨑さんがいなくなっても、チームが自律的に課題を発見し、解決できるようになりました」

―― C・S・Dの支援を他社にお勧めするとしたら、どのような点を挙げられますか?
青沼氏:「多くの企業がPMF(プロダクトマーケットフィット)で悩んでいると思うのですが、その解決には『カスタマーサクセス』『セールス』『マーケティング』の3つの視点が必要不可欠です。実は、この3つの領域を本当に理解している人材を見つけることは非常に困難ですが、C・S・Dであればそれらを解決できます。
そして、私たちが特に評価しているのは、C・S・Dは理論と実践の両面から、事業の本質的な成長を支援してくれる点です。多くのコンサルティングファームは、理論や枠組みの提供に終始しがちですが、C・S・Dは全く違います。例えば、私たちの場合、当初の課題は『カスタマーサクセスの改善』でしたが、実際の支援では、より広い視点から事業全体の成長戦略を考えることができました。これは、杉﨑さんが持つ3つの領域での実践的な知見があってこそ可能になったことです」
樋口氏:「私が特に印象的なのは、杉﨑さんの『現場視点』です。例えば、新しい施策を導入する際も、いきなり展開するのではなく、まずは小規模に施策を実施し、そこでの学びを基に改善を重ねていく。このような実践的なアプローチが、確実な成果につながっていると実感しています」
青沼氏:「加えて、C・S・Dの大きな特徴として、『経営層との対話力』も挙げたいと思います。多くのコンサルタントは現場との対話は得意でも、経営層との建設的な対話が苦手な場合が多い。しかし、杉﨑さんは、現場の課題を経営課題として的確に翻訳し、私たち経営層に提示してくれます。」
―― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
青沼氏:「私たちは『日本一のカスタマーサクセス企業』を目指しています。実は、世の中にはカスタマーサクセスが強い企業があまりありません。だからこそ、私たちがフロントランナーとして、新しい価値基準を作っていきたい。
そのためにも、C・S・Dには今後も戦略的パートナーとして重要な役割を担っていただきたいと考えています。特に、新規事業におけるカスタマーサクセスの在り方については、杉﨑さんの知見が必要不可欠だと感じています」
樋口氏:「最近では、当初の課題解決だけでなく、私たちの挑戦に対して常に一歩先を行く視点を提示してくれます。この勢いを維持しつつもC・S・Dに頼りすぎにならないように私たち自身がさらなる成長をしていかなければならないと感じています。」
青沼氏:「今後私たちは、業界全体の発展に貢献できる存在を目指したいと考えています。その過程で、C・S・Dには引き続き重要なパートナーとして、私たちの挑戦を支援していただきたいと考えています。
最後に強調したいのは、『カスタマーサクセスは、単なる機能部門ではなく、事業戦略の中核である』という認識です。この気づきをもたらしてくれたC・S・Dの支援は、私たちの事業に本質的な変革をもたらしてくれました」

企業名:フロンティア株式会社
事業内容:ビジネスマッチングサービス
取材対象者:
・取締役副社長 青沼 宏氏
・執行役員/トータルソリューション事業本部 本部長 樋口 翔氏
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