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商談分析はAIにデータを突っ込めば自動化できるか?──AIを活用した商談分析の現場から見えた落とし穴と、正しいAI活用法

作成者: 杉﨑 雄志|Apr 28, 2026 9:54:36 AM

 

営業組織を抱える企業のご担当者 であれば、「受注率が思うように上がらない」「活動量は十分なはずなのに、提案の質が伴っていない」 というようなお悩みを抱えているケースが少なからずあるのではないでしょうか?

私は株式会社C・S・Dの代表として、マイナビ・DeNA・ユーザベースといった企業での営業マネジメント経験をもとに、企業の営業組織強化や営業DX支援を行っています。これまでのキャリアも合わせると300社以上の営業組織支援に携わってきました。支援先の企業様では売上が145〜210%に成長するなどの成果につながっており、その経験から見えてきた「営業改善における再現性の高いアプローチ」をお伝えします。 

これらの課題を解決するために、現在だとAIを活用した商談分析を行われているケースも多いのではないでしょうか?ここでいう商談分析とは、商談録画や議事録データをAIに読み込ませ、成約・失注の傾向を可視化するアプローチのことです。

ただ、実際にやってみると、「AIにデータをインプットして分析はしてみたが、期待通りの回答が得られない」「アウトプットはそのとおりだけど違和感がある」ということが起こるケースも多いのではないでしょうか?本ブログでは、私が実際に複数社で商談分析を行った経験から、なぜ期待通りのアウトプットが出ないのか?違和感があるアウトプットになってしまうのか?について説明しつつ、推奨するアプローチ手順について説明したいと思います。

|「AIにデータをインプットして分析を依頼する」ことの何が問題になるのか

現在は、Zoomなどのオンライン会議のツールや、NottaやPLAUD AIなどのAI議事録ツールを活用されている企業様も増えていると思います。そのため、「商談録画データや商談録画の書き起こしデータ」を保有されている企業様も増えてきています。営業現場や顧客対応における優良な一次データが漏れなく取得できるようになっており、これらのデータを有効活用すれば、問題点が正確に理解できる。そのために、AIに生データをインプットして適切にAIに指示することで、商談の問題点を簡単に分析することができるようになる。と皆さん思われると思いますし、この発想は間違いないと思います。しかし、AIに生データをインプットしてアウトプットを出すだけだと以下のような問題が発生します。

根本的な問題は、分析精度を判断できる「一次情報」を持っていないことです。ここでみなさんは、「書き起こしデータという一次データは持っているのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 確かに営業担当や顧客担当とお客様との商談録画データはあるため、「一次データ」は保有できるようになっています。確かに録音・録画データは「一次データ」です。しかし、それを見る分析担当者が「何が問題かを理解するための文脈」を持っていない場合、AIが出したアウトプットを文字面だけで分析しようとしても、問題の本質を掴むことができません。商談の空気感、顧客の反応、担当者のクセといった情報が分析者の中にあってはじめて、AIのアウトプットを正しく読み解くことができます。 

| 私が実践した商談分析の進め方

そこで私は、上記の問題を解決し、適切に問題点を把握するために、以下の8ステップで商談分析を進めました。
単純に「AIへ生データをインプットし、アウトプットさせるだけ 」ではなく、人間の判断とAIの処理能力を組み合わせる設計がポイントです。

|「わざわざ動画を見る必要性があるのか」

「商談書き起こしテキストがあれば動画はわざわざ動画を見る必要はあるのですか?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、私は視聴することをおすすめします。もちろんすべての商談録画を見る必要はありませんし、そんな時間はないと思います。それでも、該当商談を数本見ることをおすすめします(成約商談の場合は、初回商談からクロージング商談まで一気通貫で見ることをおすすめします)私の場合、2倍速で成約商談を4本、失注商談を3本程度視聴しました。

営業知見を持つ分析者が実際の録画を見ることで、テキストだけでは絶対に掴めない情報が手に入ります。顧客の表情、間の取り方、声のトーン、話の流れが止まる瞬間などこれの情報は「なぜ商談が停滞するのか」「失注してしまうのか」を理解するために参考となる情報です。

 実際に私も、録画視聴の前後で問題への解像度が大幅に変わりました。テキストだけでは「なぜこの状態に陥っているのか」がイメージしづらかったのが、実際の商談映像を見ることで具体的な改善イメージを持てるようになりました。結果として、現場へのフィードバックや改善策の提示が、担当者にとっても「違和感のない」ものとして受け取られやすくなります。 

| 商談分析にNotebookLMの活用を推奨する理由

通常のLLMに商談データを貼り付けて分析する方法でも、それなりの結果は得られます。しかし精度と信頼性の観点では大きな差が出ます。

NotebookLMの最大の強みは、インプットしたデータのみを参照範囲として限定して分析してくれる点です。通常のLLMは学習済みの一般知識と入力データが混在しやすく、文脈の解釈がブレたり、意図しない方向で補完されるリスクがあります。NotebookLMもハルシネーションがゼロになるわけではありませんが、参照範囲を商談データに絞ることでそのリスクを大幅に低減できます。また、Geminiベースのロングコンテキスト処理が得意という技術的特性も、大量の商談テキストを扱う用途に向いています。

また、担当者別・成約/失注別にnotebookを分けて管理することで、データの比較を構造的に行えます。「Aさんの成約商談」と「Bさんの失注商談」を横断分析するとき、この設計があるかどうかで分析の精度と速度が大きく変わります。

商談分析で明らかになった商談の改善ポイント

 一連のプロセスを通じて、支援先では「なぜ商談がうまく進まないのか」という原因と改善策を明確に把握できるようになりました。よく見つかる問題点としては、以下のようなケースがあります。

  • 商談ステージセットがズレている:商談の設定内容が悪く、期待値がお客様と営業と解離があり、サービス提供の内容とズレがある状態のため、商談しても提案まで至らない
  • 表面的なニーズは聞けているが、背景が掘れていない:「何に困っているか」は聞けても「なぜそれが問題か」が確認できていない
  • ソリューション提案の内容にズレがある: 顧客の課題認識と提案内容が噛み合っていない
  • 商談を前に進めるための確認事項が抜けている: 次のアクションに必要な情報が取得できていない
  • 提案が営業の押し付けになっている: 顧客の意思決定プロセスを無視した進め方になっている

注目すべきは、分析前に「インサイドセールスのオペレーションは整っています」「商談プロセスは理解できています」とおっしゃっていた企業様でも、実際に商談データを分析してみると、意図した動きが現場に落ちていないケースが少なくないという点です。原因が特定できれば、成功パターンを整理し、適切なコミュニケーションプランを設計することができます。また、対策に紐づくKSF・KPIも明確になるため、実行後のモニタリングも容易になります。

この分析から得られる情報は、立場によって異なる価値をもたらします。営業マネージャーにとっては「誰に何を具体的にフィードバックすべきか」が明確になります。経営者・事業責任者にとっては「どこに投資すべきか」の根拠が手に入ります。営業企画担当にとっては「現場が納得できる客観的な根拠」が得られるため、営業サイドとの目線合わせがしやすくなります。 

 

あなたの営業組織は、本当に機能していますか?

ここで、自社の営業組織を振り返ってみてください。

  • 商談のゴールが、毎回明確に設定されていますか
  • 顧客の意思決定プロセスと関係者を、事前に把握できていますか
  • SFAのデータが、意思決定に実際に使われていますか
  • 成果を出している営業担当の行動が、言語化・共有されていますか

一つでも「できていない」「わからない」と感じた項目があれば、そこに改善の余地があります。

これらの問いに答えを出すために必要なのは、新しいツールの導入ではありません。まず自社の営業組織が「本来何をすべきか」という前提条件を整理することです。その上で初めて、SFAやAIが力を発揮します。

自社の営業組織は、本来何をすべきなのか——まずは前提条件の整理から始めませんか

SFAやAIを導入する前に、本当に必要なのは「自社の営業組織をどう設計すべきか」という前提条件の整理です。

60分の無料相談会で、こんなことを整理できます

  • 自社の事業フェーズ、顧客構造、商品特性の明確化
    「誰に、どのような価値を伝えるべきか」を一緒に整理します
  • 営業組織に求められる役割の定義
    現在の営業活動と、本来すべき営業活動のギャップを可視化します
  • SFA/AI導入の適切なタイミングと方法の判断
    今すぐ必要なのか、その前にすべきことがあるのか、順番を明確にします

こんな方におすすめです

- 営業強化の必要性は感じているが、何から手をつけるべきかわからない
- SFAやAIの導入を検討しているが、本当に今なのか迷っている
- これまで営業を強く意識せずとも成長してきたが、環境が変わってきた
- 営業対策を進めているが、現場が疲弊している

オンライン(Zoom等)で無料相談を承ります。まずは一度、自社の前提条件を整理することから始めませんか。